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つれづれなるままに日暮らし

宇宙・自然システムと人類(’14)

宇宙・自然システムと人類(’14) シラバス

講義概要

地球、生命、および人類とその文明は、膨張する宇宙で進んできた自然の営みから生まれたものである。これら宇宙・自然システムの創生をもたらしその存続を支えている、物質やエネルギーの源泉はなにか。また、その転化・変遷・循環のしくみは、どのようなものなのか。本講義では、地球生命と人類文明を支える環境の基盤とその現代的課題とを、科学的および自然史的視点からグローバルに考察する。人類文明はいま、存続の可能性すら問われるに至っている。当面する問題やその背後にあるエネルギー・物質の本質を複合的な科学の視点でとらえ、宇宙の中の人類とその文明大きな時間・空間にわたる宇宙・自然システムの中に位置づける試みである。

授業の目標

私たちが生き、活動しているこの世界(自然)環境について、その本質と歴史、変化のしくみを物理学、天文学、地球惑星科学、環境生物学にもとづいて全体的・重層的に理解することが、本講義の第一の目標である。そうした宇宙・自然システムの科学的理解を基盤として、人類が活動する基盤である地球や、人類自身の活動がいまや脅かしつつある地球環境、 そして人類と文明の未来について、有効かつ長期的な視点をもって深く考えることのできる視座を獲得することが、本講義の第二の、そして最終の目標である。

履修上の留意点

本講義は2008年度開講の「物質環境科学Ⅱ」の部分改訂版である。過去の事情を反映して不明確だったタイトルを改め、内容を明確にした。放送授業も伴う大幅な改訂を行ったのは、1章、2章、3章、5章、6章、9章、13章であるが、その他の章も印刷教材では章タイトルも含めて新しい状況に即した内容に改めた。宇宙・地球という時間・空間の大きなシステムについて人間とのかかわりを中心に総合的な理解を深めようとする授業だから、地球、太陽系、宇宙に関する基本的な知識は学部等である程度身につけてから学ぶことが望ましい。放送大学教養学部講義では、基盤科目「自然科学はじめの一歩」、導入科目「初歩からの宇宙の科学」「ダイナミックな地球」、専門科目「宇宙とその進化」「太陽系の科学」などが基礎となる。

第15回 宇宙史の中の地球・生命・人類・文明

本講義のまとめをかねて、138億年の宇宙史の中で準備され進んできた地球・生命・人類・文明の形成史を概観し、一方で進みつつある宇宙の生命の探査、さらに宇宙文明の科学的探索の試みと対比しつつ、宇宙の中での私たち人類文明の位置づけを探る。

担当講師:海部 宣男(国立天文台名誉教授) 池内 了(名古屋大学名誉教授)