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つれづれなるままに日暮らし

The Cell

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動物の科学(’15) シラバス

動物とは、他の生物が作った有機物を摂食して生きている多細胞生物の総称である。最も祖先的なカイメンから、多様な昆虫、運動性にすぐれた脊椎動物など、実に多彩な種類が存在する。本講義では、私たち人間を含めて、動物たちがどのようにこの地球上で生きているのか。そして、その基盤となる生殖、発生、感覚受容、行動といった生理的な機構がどのようなものかを紹介する。そして、動物の姿を科学的に理解することは、私たち人間自身を理解する上で極めて有用であることを示す。

動物は、私たち人間とこの地球環境を共有し、その食を支え、時には愛情を注ぎうる相手である。現代の生物科学や医学の発展にも多大な役割を担ってきた。これら人も含めた動物の生活様式や、生理機構を理解することが、授業の目標の一つである。そして、このような人間も含めた動物そのものの姿を基盤として、環境や食といった現代的な諸問題を、人間に取っての有用性という視点からだけではなく、より広い視点から、科学的に思考する能力を習得する。

本講義を履修するにあたっては、導入科目の「初歩からの生物学」を履修しておくこと、あるいは同水準の生物学を学んでいることを前提としている。また、本講義と専門科目の「植物の科学」は、いわば姉妹講義の関係となっている。さらには、導入科目の「生物環境の科学」、専門科目の「生命分子と細胞の科学」「生物の進化と多様化の科学」、そして総合科目の「暮らしに役立つバイオサイエンス」は、生物科学の関連した科目として設置されている。

第14回 動物の免疫応答

脊椎動物の免疫応答はほぼ無限に多様な病原体を特異的に排除できる。これには自然免疫系による適応免疫系の発動が大きく貢献しており、T細胞受容体、B細胞受容体、MHCタンパク質が重要である。ここではこれらのタンパク質を生み出す分子基盤と、抗原への特異性を生み出すメカニズムの理解を目指す。

【キーワード】
T細胞、B細胞、T細胞受容体、B細胞受容体、MHCタンパク質、クローン選択、免疫記憶、自己免疫寛容、遺伝子再編成、HIV

担当講師:東 正剛(北海道大学名誉教授)

R/J Biology