原子力潜水艦の建造技術をオーストラリアに提供して原潜8隻を建造するとともに、長距離巡航ミサイル「トマホーク」を供与するとしている。
オーカス創設発表翌日の9月16日には、首都ワシントンで米豪外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開き、オーストラリアに駐留する米空軍の兵力規模を拡張することで合意。中国をにらんだ米豪協力を強化していくスタンスを明らかにした。
米国防総省の報告書などによると、中国が保有する潜水艦は原潜10隻を含め計56隻。2020年代末には65~70隻に増える。
一方、米海軍の就役中の潜水艦はすべて原潜で計68隻。このうち太平洋に展開している原潜は計10隻と、数では中国と互角。今後、協力枠組みに従ってオーストラリアが原潜を8隻保有すれば、数字上では米豪の兵力が勝る計算になる。
ただし、原潜の「就役時期」という問題が残る。
アメリカとイギリスは今後1年半でオーストラリアへの原潜導入計画を立案し、その間にアメリカのバージニア級攻撃原潜あるいはイギリスのアスチュート級原潜のどちらかを導入するかを決定する。
しかし、それだと就役は早くても2035年以降になる。中国もその間に原潜建造を加速するので、隻数で勝る展開は望めない。
ダットン豪国防相はその点について、米英両国からの「リースや購入も検討している」と述べ、建造以外の方法で原潜就役を前倒しする可能性にも言及している。