昭和戦前期小学校国定国語教科書 『古事記』の 教材化に関する 考察
古事記』とは「712年すなわち和銅五年、稗田阿礼(ひえだのあれ)の誦習したものを太安万侶(おおのやすまろ)が撰録した書物である」と、一般に流布している日本史年表や歴史・文学書は愚か、教科書にまで記載されている。この何の疑いもないようなことが ...
明和1 (1764) ~寛政 10 (98) 年に執筆,寛政2 (90) ~文政5 (1822) 年に刊行。
本文批判,訓読,注釈のすべての点において豊富な用例を引き,広く深い知識をもって実証的帰納的研究を行い,従来の諸説を批判し,多数の創見を提出している。
著者の『古事記』第一主義と独自の古道観とによって,ときに不可知論に陥り,また論理的矛盾をおかすこともあるが,江戸時代最高の注釈書であるばかりでなく,現在でも『古事記』研究上不可欠の書とされている。
なお,巻1には『古事記』に関する総論的研究が記されているが,その巻末『直毘霊 (なおびのみたま) 』には著者の古道観の核心が展開され,高く評価されている。