CNN.co.jp-2019/03/27
スペインの首都マドリードにある北朝鮮大使館が今年2月に襲撃された事件で、スペインの裁判官は28日までに、大使館に押し入ったのは、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を批判していたメキシコ国籍の活動家率いるグループだったと明らかにした。
スペイン司法当局の発表によると、メキシコ国籍のエイドリアン・ホン・チャン容疑者が率いる10人の集団は、マドリードの北朝鮮大使館に押し入って中にいた人たちに暴力を振るい、拘束して手錠をかけたとされる。さらに、男性1人を亡命させようとしたが、失敗に終わったという。
エイドリアン・ホンの名は北朝鮮の人権活動家の間では有名で、2016年にはこの名前の人物がカナダの上院で証言に立ち、北朝鮮の金体制を批判していた。
スペイン当局によると、ホン容疑者は米国在住で、事件後にスペインを出国してポルトガルのリスボン経由で米国へ戻り、米連邦捜査局(FBI)に接触して事件に関する情報の提供を持ちかけたとされる。
今回の事件については、脱北者でつくる団体「千里馬民防衛」が26日に関与を認める声明を発表していた。
同団体は声明の中で、身元が公表されればメンバーが危険にさらされると述べ、「我々の一部はこの戦いの過程で投獄され、拷問され、殺害されるだろう。だが危険を冒して他者を守ろうとしている我々の身元の特定につながる情報を公表すれば、北朝鮮政権に手を貸すことになる」と反発している。
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