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つれづれなるままに日暮らし

楽天、その手があったか。遅すぎる携帯参入を挽回する秘策とは?

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『石川温の「スマホ業界新聞」』

楽天は6000億円でどうやって日本全国をカバーするのか━━SIMフリースマホの「あの機能」が楽天を救う

先週、世間は忘年会がピークを迎えたようだ。

そんななか、モバイル業界関係者が忘年会で集まり、真っ先にする話題と言えば「楽天はなぜ、いまさら、携帯電話事業に参入するのか」という話だ。

業界関係者から見れば、すでに大手3社での顧客獲得合戦には終止符が打たれており、これ以上、市場の成長は見込めないと言われている。大手3社が全国津々浦々にネットワークを張り巡らせているなか、楽天がイチから基地局を打って大手3社に対抗するのはあまりに無謀過ぎる。

楽天は2025年までに6000億円を設備投資すると語るが、その金額ではNTTドコモの1年分にしかならない。果たして、6000億円で全国にネットワークを整備できるものなのか。

基地局ベンダー関係者に「6000億円というのは妥当な金額なのか」と直接、聞いてみたところ「昔に比べれば、設備は小型化が進み、金額は安くなっている」という。しかし、「基地局の設備は安くなっているが、工事費などの人件費は昔も今も変わらない」と続ける。結果として、6000億円で全国を網羅するのは難しいのではないかという結論だ。

ただ、基地局ベンダー関係者は「投資額が少なくても、全国をカバーできる方法がある」という。

それは「MVNOとしてNTTドコモから借りているネットワークと、新規参入して構築するネットワークをネットワーク側で融合することも不可能ではないが、NTTドコモとの交渉や技術的なハードルもある。しかし、スマホのDSDSを使えばもっと簡単に2つのネットワークを融合できるのではないか」というのだ。

ここ最近、SIMフリースマホに増えたDSDS機能。Dual SIM Dual Standbyとして、2つのSIMカードに対応し、同時にネットワーク待ち受けできるものだ。

仮に楽天がキャリアとして参入した際、ユーザーにはDSDS対応のスマホを使ってもらい、片方にはMVNOである楽天モバイルとして提供しているSIMカードを挿し、もう片方には、新規参入のMNOとしてネットワークを提供しているSIMカードを挿す。

これにより、都心部など、楽天がキャリアとして提供しているエリアであれば、データ通信料を課金せず、郊外など楽天自身がネットワークを提供できないところはMVNOとして、NTTドコモのネットワークに接続し、従来通りにデータ通信容量が減っていくようにすればいい。

これであれば、楽天都心部に集中してネットワークを構築して、目標の人口カバー率を達成すればいい。かつてのイー・モバイルNTTドコモ網にローミングするというかたちをとったが、DSDSを活用すれば、ローミングといったこともしなくていいし、従来のMVNOのスキームをそのまま使えるメリットがある。

創業当初はユーザーも少ないことから「楽天基地局につながれば、データは使い放題」といった見せ方もできるだろう。

DSDS対応機種も今後、増えることが予想されるだけに、この手法を使えば、案外、面白い展開になっていきそうな気がする。

5年遅い。楽天の携帯参入が「約束された負け」と失笑される理由

楽天株式会社は12月14日、NTTドコモauソフトバンクに続く「第4のキャリア」として、携帯電話事業に本格参入することを発表しました。今後、6000億円を投資して事業を軌道に乗せていくとしていますが、この発表を耳にしたメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でスマホジャーナリストの石川温さんは、「なぜ、いまさら」と業界内で疑問視する声が挙がっていることを暴露。楽天が、5年前に「イー・モバイル」を買収しなかった段階で「負け組」は確定的だと断じています。

楽天が6000億円を投資して、携帯電話事業に本格参入━━5年前、イー・モバイル買収なら1800億円で済んだのに
先週、楽天が1.7GHzと3.4GHzを取得して、携帯電話事業に参入することを明らかにした。業界内では「なぜ、いまさら」という声が相次いでいる。
● 携帯キャリア事業への新規参入表明に関するお知らせ(楽天株式会社公式プレスリリース)
楽天としては、MVNOとしてNTTドコモのネットワークを借りて事業を展開するよりも、柔軟な料金体系を実現するためにも、MNOになった方が得策だと考えたのだろう。しかし、このタイミングに、イチから全国にネットワークを構築するというのはあまりに無謀すぎる。ローミングなど、既存キャリアからの支援を得ないことにはまともなサービスは提供できないのではないか。
そもそも、すでに基地局を設置できるような場所は既存キャリアに抑えられてしまっている。特に都内で基地局を設置する場所を開拓するのさえ困難なはずだ。
楽天を見ていると、本当に「決断が遅い」とイライラさせられる。
本来なら、楽天は、イー・モバイルが売却先を探しているタイミングで買収し、携帯電話事業に参入した方が良かったのではないか。あの時のイー・モバイルなら、全国にネットワークを持ち、端末や顧客管理など、人材もそれなりに揃っていた。楽天が買収し、楽天経済圏と連携したサービスを提供していれば、今ごろは結構、いいポジションにいたかも知れない。ソフトバンクイー・モバイルを買収していなかったら、いまよりもネットワークは貧弱だったわけで、iPhoneを巡る競争環境も面白くなっていたはずだ。

イーモバを買収せぬ時点で負け組

5年遅い。楽天の携帯参入が「約束された負け」と失笑される理由