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つれづれなるままに日暮らし

量子化学(’19) @ 放送大学

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https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do 

主任講師名:橋本 健朗(放送大学教授)、安池 智一(放送大学教授)

【講義概要】
原子、分子の性質や反応を司る原理、それを記述する理論を体系的に解説し、多様な化学、物質科学の拠り所となる理論的基盤を提供する。実験結果と背景にある分子機構を理論を通して結びつける力を涵養する。近年産業界でも利用される量子化学計算を、ブラックボックスとしてでなく、意味と適切な手続きを理解して活用する基礎を提供する。

【授業の目標】
分子の構造、反応性、光応答性の背景にある分子の量子力学を理解する。事実として観測される周期律、反応選択性、原子や分子のスペクトルの規則性の背景にある分子機構を電子構造と結びつける。現代分子理論の体系、概要を学ぶ。

【履修上の留意点】
化学結合論-分子の構造と機能('17)」「入門線形代数('19)」「入門微分積分('16)」を履修済みであることが望ましい。 

第1回 化学と量子力学


化学における量子力学の必要性を歴史的観点を含めて学ぶ。光と物質が示す二重性とは何かを理解する。ボーアの原子論について学び、量子条件が物質波の示す定在波の観点から解釈できることを理解する。

【キーワード】
原子の構造、光の波動性と粒子性、ボーアの原子論、物質波

執筆担当講師名:安池 智一(放送大学教授)
放送担当講師名:安池 智一(放送大学教授)

第2回 ミクロの世界の力学
量子力学


ド・ブロイの物質波のアイディアを基に、複素数の波動に対するシュレーディンガー方程式を導く。箱の中の粒子の問題によってエネルギー準位が量子化されることを学ぶ。ディラックの記法を導入し、ベクトル空間に基づいて量子力学の体系を概観する。

【キーワード】
シュレーディンガー方程式、箱の中の粒子、重ね合わせの原理とベクトル空間、固有値問題、交換関係、不確定性原理

執筆担当講師名:安池 智一(放送大学教授)
放送担当講師名:安池 智一(放送大学教授)

第3回 量子化学への序奏


3次元の波動関数を理解する。量子数と波動関数の節との関係、エネルギー準位との関係を掴む。変数分離、3次元極座標に慣れる。

【キーワード】
腹、節、変数分離、縮重、エネルギー準位図、3次元極座標角運動量、期待値(平均)

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第4回 水素原子


水素原子の波動関数の名前、形を学ぶ。波動関数とエネルギー準位が、量子数によりどう変わるかを押さえる。量子力学に基づく水素原子の姿を掴む。

【キーワード】
原子軌道、主量子数、方位量子数、磁気量子数、動径成分、球面調和関数、動径分布関数

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第5回 多電子原子とパウリの原理


多電子原子の波動関数変分法を学習する。多電子原子にも、1s,2s,2p,…の原子軌道を考える背景を学ぶ。パウリの原理を波動関数と結びつけて理解する。

【キーワード】
一電子軌道、多電子波動関数変分法、電子スピン、パウリの原理、スレーター行列式

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第6回 周期律と周期表


多電子原子の電子配置を基に、周期律と周期表を読み解く。電子間の相互作用の理解を深める。

【キーワード】
周期律、周期表、電子配置、構成原理、不対電子、電子対、電子殻、価電子

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第7回 水素分子イオン


一電子系で化学結合ができる仕組みを、量子力学に基づき解き明かす。分子軌道法の考え方、結合性軌道、反結合性軌道を理解する。

【キーワード】
ボルン・オッペンハイマー近似、分子軌道法、軌道相互作用、結合性軌道、反結合性軌道、ポテンシャルエネルギー曲線、軌道相関図理

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第8回 軌道相互作用


軌道相互作用の原理、分子軌道の組み立て方を理解する。二原子分子の電子配置と極性、多重結合を学ぶ。

【キーワード】
永年方程式、軌道相互作用、σ結合、π結合、多重結合、結合次数、極性、非共有電子対

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第9回 化学結合と分子構造


電子密度を基に、化学結合の姿を掴む。軌道相互作用を活用し、簡単な多原子分子の構造を導く。混成軌道の考え方を基に多原子分子の構造を理解する。

【キーワード】
電子密度、共有結合、イオン結合、ウォルシュダイアグラム、原子価、混成軌道

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第10回 π共役系分子


ヒュッケル法の考え方を学ぶ。鎖状ポリエン、環状ポリエンのエネルギー準位構造とπ分子軌道の特徴を押さえる。ヒュッケル法を通じて、分子の機能を理解する。

【キーワード】
ヒュッケル法、共鳴、π共役系、非局在化エネルギー、フロンティア軌道、芳香族性、HOMO-LUMOギャップ

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第11回 化学反応と分子軌道


電子の波動性に着目した反応の捉え方を学ぶ。軌道相互作用に基づき、反応選択性、反応機構が説明できるようになる。フロンティア軌道の重要性を理解する。

【キーワード】
反応機構、 HOMO-LUMO相互作用、反応選択性、ウッドワード・ホフマン則

執筆担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)
放送担当講師名:橋本 健朗(放送大学教授)

第12回 光と分子の相互作用


電磁場の影響で分子のハミルトニアンがどのような変更を受けるかを理解する。時間依存外場の下で系の波動関数の時間発展を追跡する方法について学び、電磁波の照射によって分子固有状態間の遷移が起こることを導く。遷移を司る遷移双極子モーメントの具体的な表式を理解する。

【キーワード】
電磁ポテンシャル、ゲージ変換、相互作用表示、時間依存摂動法、誘導吸収、誘導放出、自然放出、遷移双極子モーメント

執筆担当講師名:安池 智一(放送大学教授)
放送担当講師名:安池 智一(放送大学教授)

第13回 電子遷移


紫外・可視領域の光を吸収して、分子は電子励起状態へ遷移することを学ぶ。遷移モーメントの電子部分がどのように計算されるかを学び、被積分関数の対称性から選択則を導く。

【キーワード】
電子励起状態、遷移双極子モーメント、コンドン近似、スレーター則、選択則

執筆担当講師名:安池 智一(放送大学教授)
放送担当講師名:安池 智一(放送大学教授)

第14回 二原子分子の回転と振動


二原子分子を例に、原子核の自由度についての運動の取り 扱いを学び、分子の回転・振動準位がどのように量子化されるかを理解する。遷移双極子モーメントの値についての考察から、回転遷移・振動遷移に対する選択則を導く。

【キーワード】
ボルン・オッペンハイマー近似、剛体回転、電波吸収スペクトル、調和振動子、赤外線吸収スペクトル

執筆担当講師名:安池 智一(放送大学教授)
放送担当講師名:安池 智一(放送大学教授)

第15回 多原子分子の運動


多原子分子の平衡点近傍での微小振動に対する基準座標について学ぶ。基準振動の対称性から赤外線吸収・放出の可否を導く。遷移状態が虚の振動数を一つ持つ平衡構造として定義され、反応の理解に有用であることを理解する。

【キーワード】
ポテンシャル曲面上の軌跡、平衡点、基準座標、平衡点の安定性、遷移状態

執筆担当講師名:安池 智一(放送大学教授)
放送担当講師名:安池 智一(放送大学教授)