新日本風土記「鳥海山」
万年雪をたたえる、東北屈指の名峰・鳥海山。麓には、山の恵みと共に生きる人々の暮らしがある。東西南北をぐるりと一周、鳥海山麓をめぐる旅の始まり。(2017年放送)
夏でも万年雪をたたえる、鳥海山。標高2236メートルの東北屈指の名峰だ。麓には、山の恵みと共に生きる人々がいる。東にはマタギの伝統を受け継ぐ山の民、西の日本海には漁師たち。そして、南と北には農業を営む人々。鳥海山は、こうした人々の多様な営みを支え、時に噴火で災いをもたらしてきた「神の山」だ。東西南北をぐるりと一周、鳥海山麓をめぐる旅の始まりです。(2017年放送)
『延喜式』に登録される出羽国大物忌神社 (山形県遊佐町の鳥海山上)の祭神。この神社は古くから出羽国の一宮として,また東北随一の名山鳥海山の山頂にある神社として有名だった。大物忌神は大忌神(オオイミノカミ)に同じとされるが,そのオオイミノカミは,広瀬神社(奈良県河合町)に祭られている若宇迦売神の別名。広瀬神社では,律令時代に,宮廷の四時祭のひとつ大忌祭が行われた。ウカは穀物霊であるが,それをオオイミノカミというのは,穀物の霊が天照大神に忌み清まって奉仕するからとされる。大物忌神のモノイミも,神霊のまえに心身を清めて仕えることを意味しており,伊勢神宮には,天照大神に神饌を捧げる大物忌という神官がいた。
(西條勉)