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米中貿易戦争 「レバレッジ」

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米中貿易戦争、勝利の鍵は「レバレッジ」 - WSJ
jp.wsj.com/articles/SB10374743224200783466704584149112595237146
13 時間前 - 貿易は相互に恩恵を与える。貿易赤字は問題ではない。関税を課す国は自らも打撃を受けることになり、報復に遭えばなおさらだ。エコノミストはこうした見解で一致する。ではなぜ、ドナルド・トランプ米大統領は中国からの輸入品に高関税を課すと脅し、株式市場を動揺させるのか。 トランプ氏が単に、経済学を否定しているためだけではない。これは交渉でもあるからだ。交渉人は、要求が通らなかった場合の痛みに耐えられることを示さなければならない。トランプ氏が成功するためには、中国が貿易戦争 ...

米中貿易戦争、勝利の鍵は「レバレッジ」ウォール・ストリート・ジャーナル ...
keiei.wpblog.jp/2018/04/09/米中貿易戦争、勝利の鍵は「レバレッジ」-ウォ/ 4 時間前 -

トランプ氏が正しいかどうかは、誰が最も交渉のレバレッジ(交渉上の相対的優位性)を持っているかに大きく左右される。経済的には、米国だ。昨年の5060億ドル(約54兆2000億円)規模に上る中国の対米輸出は、国内総生産GDP)比4%に相当する。一方、米国の1300億ドル規模の対中輸出はGDP比0.7%にとどまる。そのため、貿易戦争となれば、中国の経済成長は米国よりもリスクにさらされる。また、米中双方が実際に、500億ドル相当の輸出品に関税を課した場合、米国はその後も、中国を狙い撃ちする標的がより多く残っている。

 中国からの輸入品に関税を課せば、米国民のコストは上昇するが、米経済の規模を踏まえれば、容易に対処することができるだろう。中国にとって貿易戦争の最大のリスクは恐らく、世界の製造業者が中国を対米輸出の信頼ある拠点とはみなさなくなり、他へと移転することだ。仮に中国が国内で事業を展開する米企業に対し、健康や安全性の面で規則に違反したなどとして制裁を加えることで報復すれば、そのリスクはさらに高まる。外国からの投資は、中国が技術や産業ノウハウを取得する上で鍵を握ってきた。

 中国は米国債を売却、または購入額を減らすなどして、米市場に混乱を招こうとすることも可能だ。だが世界の米国債取引量は極めて厚く、中国が仮に米国債を使って打撃を与えようとしても影響は限られる可能性がある。それどころか、人民元を押し上げ、輸出を一段と危機にさらすだろう。

 米国の対中輸出品は、容易には代替できない。複数のブログ執筆者は、中国が世界の大豆供給量の大半を輸入するため、米国産に代わるものはほとんどないと指摘する。米国以外で唯一の主要供給国であるブラジルは、すでに能力の限界に近づいている。そのため、中国は米国産大豆の輸入継続を余儀なくされ、自ら課した関税により、豆腐や家畜の飼料、鶏・豚肉の価格上昇を招く事態になりかねない。米外交評議会(CFR)のブラッド・セッツァー氏はツイッターで、「中国の関税が米農家に打撃を与えることは間違いないが、おそらく中国の消費者に与える打撃の方が大きいだろう」と述べている。

 中国が米ボーイング製のワイドボディ航空機(複数通路機)に関税を課すことも可能だ。ボーイングに代わり、エアバスから購入すればいいからだ。だがセッツァー氏は、中国がエアバスへの依存度を過度に強めれば、エアバスに技術移転を迫る上で必要なレバレッジを失うと指摘する。

 一方、経済的なレバレッジは米国が握るとすれば、政治的なレバレッジは中国にある。中国の消費者が大豆の値上がりに直面しても、同国の指導者が選挙や批判的な報道を心配する必要はない。共産党指導部は成長を優先するが、それよりもさらに長期的な戦略地政学上の利益を優先する。領土問題を巡り、中国と日本の対立が先鋭化していた2012年、デモ参加者が日系工場を攻撃しても阻止されることはなかった。

 対照的に、米国の政治的痛みに関するハードルは低く、これまで他国から何度もつけ込まれた。欧州連合EU)は2002年、米国の鉄鋼関税への報復措置として、ウィスコンシン州のオートバイやフロリダ州のオレンジジュースを標的にした。いずれも選挙の行方を左右するとされる激戦州「スイングステート」だ。米国は関税を撤回した。

 中国もこれまで、ミッチ・マコネル上院院内総務の地元、ケンタッキー州産のウィスキーなど、共和党の有力議員の地元特産物を標的に上げる。

 だが、こうした措置による影響を過大評価すべきではない。ウィスキーがケンタッキー州の輸出品に占める割合は1%に過ぎない。共和党議員の多くは、トランプ氏が通商政策を巡り、韓国や日本、カナダ、メキシコ、EUに理不尽なけんかを売っていると批判する。だが一方で、必ずしもトランプ氏が望む駆け引きではないにせよ、トランプ氏が抱く中国への不満は共有する。また、トランプ氏の保護主義を嫌う有権者が、民主党の方が保護主義色が薄いとは考えないかもしれない。

 米中双方がどのように交渉のレバレッジを活用するかも重要だ。トランプ氏は通商政策も含め、身内の政権当局者と矛盾する考えを公の場で口にする癖があり、政府当局者が海外の相手国に伝えたことの価値を下げることで、自らのレバレッジの効果を薄めてしまう。

 またトランプ氏がレバレッジを誇張し、他国が対応する意欲がある、または対応できる以上の要求をつきつけることもリスクだ。トランプ氏は対中赤字の1000億ドル削減を求めているが、中国が削減に後ろ向き、またはできない可能性がある。貿易赤字には、すぐに対応可能な要因を超えたものが多く作用する。これに加え、中国は貿易戦争は望んでいないものの、習近平国家主席の権威基盤である国家の威光を犠牲にするよりは、貿易戦争を近く受け入れるかもしれない。