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つれづれなるままに日暮らし

ニュートリノ

ZEROペディア File.32015年12月6日 放送 “ニュートリノ振動”

2015年、ノーベル物理学賞を受賞した東京大学の梶田隆明さん。受賞理由は『ニュートリノ振動の発見』だ。それまで、20世紀の金字塔と呼ばれる物理学の基本法則『標準理論(素粒子の振る舞いを統一的に説明できる理論)』の中ではニュートリノには質量がないことが大前提だった。ところが、梶田さんが実証した『ニュートリノ振動』はニュートリノに質量がないと説明出来ない現象。梶田さんは12年に渡る膨大な実験データの積み重ねでニュートリノ振動の証拠を掴み、標準理論の書き換えの必要性を示した。この大発見に繋がった『ニュートリノ振動』とは一体何なのか、『ニュートリノ振動と質量の関係』はどうなっているのか…ニュートリノの世界の不思議な現象とは?

ニュートリノは“幽霊粒子”?

木・水・ヒト…世の中のあらゆる物を構成する原子。その大きさは直径約1億分の1cm。その原子は陽子・中性子からなり、それをさらに細かく分けていくと、それ以上分けられない粒子に行き着く。それを『素粒子』と呼び、現在見つかっている素粒子は全部で17種類ある。ニュートリノはその素粒子の仲間で、電子ニュートリノ・ミューニュートリノ・タウニュートリノの3種類(図の上部)がある。

素粒子の中でニュートリノ特有の性質がある。それは、電気的に“中性”ということ。電荷を持たずプラスにもマイナスにも帯電しないため、他の物質と反応することはほとんどない。それはニュートリノの語源にも表されている。『neutral(中性的な)+ino(イタリア語で小さい)=neutrino』というように。ニュートリノは宇宙のどこを取っても1cm3に300個も含まれ、地球上では1秒間に約1兆個も体を貫通するほど膨大な数のニュートリノが降り注いでいる。それにも関わらず、観測は困難を極める。ニュートリノは電気的に中性な上、原子核の間さえ容易に通過できるほど小さなサイズであり、さらに光に近いスピードで飛んでいるため捕獲できないのだ。正体不明で測定も困難なことから、ニュートリノは“幽霊粒子”の異名を持つ。

約1万1千個の超高感度の光センサー光電子増倍管

チェレンコフ光

ニュートリノ*