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つれづれなるままに日暮らし

数学の歴史(’13)

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講義概要

数学の歴史を、西欧のみならずアラビア世界や日本など非西欧世界をも視野において講義する。その際、数学の中身にはもちろん触れるが、発想の源泉や理論の受容の社会的・文化的背景をも常に視座に置いて講じていく。とりわけ数学の文化・社会依存性の具体的有様を提示する。

授業の目標

文化における数学の歴史的具体相をみることによって、数学が孤立した学問ではなく、さまざまな要因のもとで展開していったこと、また多くの 学問領域に影響を与えたことを学ぶ。さらに高校時代までに学んできた数学の成立の背景を知り、数学が本来持つ多様性を再発見するとともに、今日私たちが抱く数学や科学のイメージを根本的に再検討する契機を与える。

履修上の留意点

従来の数学史ではあまり取り上げることのなかった題材、つまりアラビアや西洋中世の数学、教育との関係、女性と数学などにも言及するので、単に数学のみならず、広く文化史に関心のある学生にも参考となるであろう。取り上げる数学は17世紀頃までであるので、微積分学初歩の知識があれば十分である。講義内容はさまざまな学問領域にかかわるので、むしろ数学を超え広く学問一般に関心のある学生の受講を期待する。

エジプト

ギリシャ

インド

放送大学/数学の歴史('13) - 記憶と歴史 - Seesaa Wiki
seesaawiki.jp/rekioku/d/放送大学/数学の歴史('13)
2013/07/22 - 古代ギリシャの数学 アルキメデスエラトステネスに宛てた機械学的定理に関する方法回転放物体 円柱機械学的発見の方法幾何学的証明. 3. エウクレイデス『原論』と論証数学. 4. アラビア数学の成立と展開. 5. アラビアの代数学. 6. 中世西洋 ...

1 古代エジプトの数学 古代エジプトの計算法を、文字に注目しながら具体的に紹介する。また誰がどの様な目的で計算を行ったか、という文化的社会的背景にも注目する。

【キーワード】
ヒエログリフ、単位分数、リンド・パピルス、円周率 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授)

2 古代ギリシャの数学 前半は古代ギリシャの数学の発生と展開を概観し、古代ギリシャ数学の特徴を明らかにする。後半はアルキメデスの数学の発見的方法について検討する。さらに古代数学の行き着く先にも言及する。

古代ギリシャ

    • 自由七科
      • 文法学・修辞学・論理学の3学、および
      • 算術・幾何(幾何学、図形の学問)・
      • 天文学(円運動についての学問、現在の地理学にも近い)・
      • 音楽(ここでいう音楽の教育は、現代の音楽教育とは範疇が異なる)の4科

無限(infinity)

ピュザンティオン期

【キーワード】
マテーマティカ、アルキメデス、円錐曲線 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授)

3 エウクレイデス『原論』と論証数学 論証数学のモデルであるエウクレイデス『原論』の内容と構造を、比例論などを取りあげながら具体的に紹介し、ギリシャにおける論証数学の成立について考える。

【キーワード】
エウクレイデス、『原論』、論証数学、比例論 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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4 アラビア数学の成立と展開 アラビア数学の成立とその展開を、文化的背景を視野に置きながら述べていく。またアラビア数字やゼロの意味とそれを用いた計算法を紹介する。

【キーワード】
アルゴリズム、小数、アラビア数字、遺産分割計算 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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5 アラビアの代数学 アラビア数学の中でもっとも発達した代数学を、ギリシャ数学との関係で理解する。そしてその成立から高度に展開するまでを概観する。また2次方程式、3次方程式の具体的解法にも言及する。

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ジャブルの学、フワーリズミー不定方程式、オマル・ハイヤーム 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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6 中世西洋の数学 12世紀にアラビアから西洋中世に数学が伝達されていく様子を紹介し、その数学が今度はいかに中世大学で展開していくかを、運動論と無限論を中心に論じていく。

【キーワード】
12世紀ルネサンス、中世大学、無限論 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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7 中世算法学派 中世西洋で数学の展開に寄与したのは商人たちであるが、彼らの数学史上の意義について考察する。また紙の普及により、数学に用いられる記号が変遷していく様子を見る。

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フィボナッチ、紙の普及、省略記号、コス式規則、アバクス 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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8 イタリアの3次方程式 数学史上有名なイタリアのカルダーノとタルターリャにおける3次方程式解法を紹介し、さらに発見を巡る優先権問題について考える。また方程式解法の中から新しい数概念が成立していったことを見る。

【キーワード】
3次方程式、優先権問題、ボンベッリ、カルダーノの公式、数学試合 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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9 ルネサンス数学 ルネサンス期イタリアにおける古代ギリシャ数学の復興を概説し、当時の人文主義者たちと数学との関係を考える。さらに数学の実用性と新たな応用の具体的有様を、計算術師や画家たちの活動を通じて見ていく。

【キーワード】
数学讃歌、デューラー、計算術師、数秘術 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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10 デカルトの時代の数学 17世紀科学革命期における数学の役割を概観し、なかでもデカルトとヴィエトの記号数学の成立と展開を見ていく。さらにデカルト幾何学』のオランダにおける影響と、接線法や求長法への適用を理解し、微積分学成立前夜の様子を見る。

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科学革命、記号法、方程式論、求長法、接線 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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11 対数の発見 ネイピアとビュルギによる対数の発見と展開を、両者の置かれた社会的位置をも視野に置きながら比較検討する。さらに対数が単なる計算法から解析学に発展していく様子を見る。

【キーワード】
三角法、対数表、ネイピア、ビュルギ 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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12 ニュートン ニュートンの若き時代の数学的アイデアの源泉と、その展開を検討する。さらにニュートンの数学観にも触れ、主著『プリンキピア』の数学史上の位置付けを確認し、英国におけるニュートン数学の受容を考える。

【キーワード】
流率法、『プリンキピア』、大学教授ニュートン 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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13 ライプニッツ ライプニッツ微積分学の誕生と特徴を見ていき、それがニュートン微積分学とどこが異なるのかを明らかにする。その際、両者の間の微積分学優先権論争にも言及する。さらに当時の微積分学の批判者たちの意見も視野に入れながら、微積分学が徐々に認知されていく様子を見ていく。

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無限小解析、優先権論争 三浦 伸夫
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14 18世紀英国における数学の大衆化 18世紀英国では、アマチュアの数学愛好家がたくさん輩出した。彼らの数学の特徴と役割を、数学器具や数学教育について言及しながら明らかにする。また、18世紀は少なからずの女性が数学に関心を持っていたが、その要因を具体的に見ていく。

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数学愛好家、数学器具、数学と女性、数学と教育 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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15 和算 日本の伝統数学である和算は西洋数学とどのように異なるのかを比較検討し、西洋数学理解の一助とする。まず初期の和算である『塵劫記』の内容を紹介し、次いで盛期の和算の特徴を取りあげる。数学内容というよりは、むしろ文化や社会の中で和算がどの様に展開していったかに重点を置く。

【キーワード】
算額、洋算、西洋と日本、算博士 三浦 伸夫
神戸大学名誉教授) 三浦 伸夫
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