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つれづれなるままに日暮らし

「体系化する」ということ〜ロジカルシンキング @ 勝間和代_メルマガ

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出所:勝間和代オフィシャルメールマガジン*

最近、各所で

facebookの料理見ています。おいしそうですね」

という声とともに、特に男性に多いのですが

「本当に勝間さん、全部作っているんですか?」

と聞かれることがあります。はい、もちろん全部作っています。というか、プロだったら、もっと華麗な盛りつけ写真になっています(笑)。

で、なぜ、料理が簡単になったのか。それは、ここ1年くらいで、料理本を読みあさり、料理教室に出かけ、試行錯誤を繰り返した結果、私の頭の中で

「体系化」

したからではないかと思います。これまで、レシピをみていると、どうしても、「つぶつぶ」の情報しか手に入らないから、なぜここで加熱するのか、なぜここでこの調味料を入れるのか、なぜこの割合なのか、ということがわかりませんでした。

だから、再現性が低いし、レシピの中で手順を抜いていいものや、省いていい材料がわからないので、とりあえず、まねるしかない。なので、2年前くらいまでは、定番は普通に作れますが、定番からちょっとでも離れると、はにゃにゃにゃな料理になりました。はっきりいって、自分でアレンジすると、おいしくない!!

ところが、調理科学を学び、切り方、加熱、塩加減、味のバランスなどを知ると、それぞれのレシピが何をするためにその手順が存在するのかわかってきますので、アレンジが効くようになります。

材料の計量はしますが、塩、砂糖、しょうゆ、味噌、ニンニク、こしょう、タイム、バジル、オレガノ、チリソース、トリュフ、麹、オリーブオイル、フラックスオイル、バルサミコ酢、トマトソースなどなど、要は

材料×調理(切ること、混ぜること、加熱すること)×味付け

で無限の組み合わせがあるし、そこにはいくつかの定番があるものの、法則や鉄則があると言うことがわかってきます。

そしてそのうち、レシピ自体が不要になっていって、手許にある材料と、調味料がある程度あれば、その場でメニューが決められるようになってきます。ブロッコリーがあればでは、これと組み合わせようとか、ジャガイモがあると、このチーズが向いているかなとか、ネギを焼いたらジェノベーゼソースが合うかな、とか。

そんなこんなをしていたら、だいたいの料理、自分で言うのも何ですが、市販のものや、よくあるレシピよりは、自分で作った方がおいしくなってきました。また、レシピを見たときにも、どこの部分を参考にしようかと積極的に分解するようになりましたし、外食したときにも、美味しいものの組み合わせは、メモを取るようになりました。

で、作っているうち、学んでいるうちに、これって、何かに似ているなぁ、と思ったのです。それは何かというと

「あーーーー、マッキンゼーでテンプレートや見本を見なくても、イシューアナリシスロジカルシンキングができるようになったときと同じだーーー」

と気づいたのです。

確か、あのときもやはりマッキンゼーに入ってから、1年半くらいかかったと思います。初めのうちは、先輩の見よう見まねから始まり、そして、そのうち「定番レシピ」のようなテンプレートをとにかく使って、問題分析を行うようにして、そのうちに、なんとなーーーく

「ああ、それぞれのテンプレートや、イシューアナリシスはこれをやろうとしていたのか」

というような背骨が見えてきて、そのうち、多くのイシューは、課題をいただいた時に、何となくですが、分析の方向性が見本がなくても見えるようになってきました。そして、それからは、自分から積極的にフレームワークを作って、あるいは先人のものを見つけて、問題解決に役立てるようにしたのです。

頭の中の情報処理体系って、本当におもしろいと思います。具体的なことから、概念的な共通点を見つけて、それを数値化して、組み合わせて、共通項を見つけて、そしてまた元に戻す、その繰り返しがあることで、ITも進むし、製品もできるし、料理もできるし、科学も進む。

しかし、ある程度、体系を学ぶためには、先人の知恵を守って、そこにある理由を自分の中でもう一度落とし込み、そして、自分がまた再現できるようにスキルを磨く、そんな繰り返しが必要なのだと思います。

そしてそれには、やはり、一つ一つの技術ごとに1000時間とか、1万時間の繰り返しが必要なので、すべてに私たちはそれだけの時間をかけることができませんから、どこにかけるのか、選ばないといけないのだなぁ、とつくづく思います。

みなさんのスキルの中で、体系化されているものと、まだそうでないもの、どんな違いがあるのか、これを機会にぜひ、考えてみてください。

マッキンゼーのPPTテンプレート

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」