中国が国連制裁に違反し、トランプ政権の締め付けに苦しむ北朝鮮への経済支援を強化していることが、米当局者の話で分かった。しかも、これまでとは異なり、一部ではもはや違法取引を隠ぺいしようとすることもなくなり、堂々と実行に移しているという。
北朝鮮は長年、自国船籍を外国籍の船舶に装う、追跡用の発信器を遮断する、迂回(うかい)ルートで発覚を回避する、といった手法を使って制裁逃れを試みており、いたちごっこの状況が続いていた。
だが、ここ1年には北朝鮮船籍の船舶が中国の寧波―舟山地域に石炭を直接搬入していることが、米当局者への取材やウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に提供された米政府の衛星画像で確認された。
一方、別の画像からは、中国船が北朝鮮に向かい、ナンポーの港から石炭を積荷している様子もうかがわれる。
米国務省の高官は「特に偽装や隠ぺいしようとする様子は見られない」とし、「中国がほう助していることで、北朝鮮は以前よりもはるかに安定した収入源を得られるようになっている」と述べる。
米国務省が提供した衛星画像(8月12日撮影)では、北朝鮮の複数の石炭運搬船が中国の寧波―舟山地域で確認される。北朝鮮産石炭の多くは、そこで中国の船舶へと積み替えられている。