トレンチコート姿の長野県警竹村岩男警部(堺正章) は、難事件を幾つも解決して“信濃のコロンボ“ と呼ばれている名探偵だが、妻の陽子(原田美枝子) にだけは弱い一面も。そんな岩男が、首なし白骨死体にからむ連続殺人事件の謎を、良寛和尚の伝説をヒントに解いてゆく、内田康夫原作「北国街道殺人事件」からの郷土色豊かなミステリー。
陽子の先導で良寛ゆかりの出雲崎方面に休暇旅行中の岩男は、野尻湖で首なし白骨死体が上がったとの急報で呼び戻された。白骨は死亡推定二、三年前の中高年男性で、右肋骨二本欠損、下腿骨にも傷があり、身元は不明。
そのころ出雲崎、五合庵の吊り橋の下では突き落とされた男の死体が。こちらは良寛研究者のK 大助教授大沢と判明。やがて野尻湖の死体も三年前から捜索願の出ていたH 大教授畑野高秀(夏八木勲) と、胸部疾患の骨の欠損記録で推定された。
畑野も良寛研究者だった。その上、新信濃川河口で顔を潰された男の死体があがり、こちらも右肋骨と下腿骨に同様の損傷があった。