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つれづれなるままに日暮らし

韓国 感染症 2015年 中東呼吸器症候群(MERS)

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医療機関における中東呼吸器症候群MERS)症例の集積は中東の国(特にサウジアラビア)から継続的に報告されているが、中東以外の国では2013年 ... しかし2015年5月~7月にかけて、韓国では186例のMERS症例が報告された(中国で診断された例を含む)。 ... たとえば急性感染症患者への渡航歴の確認、医療機関での標準予防策の徹底、感染管理体制の整備、住民へのリスクコミュニケーション等である。 

医療機関における中東呼吸器症候群(MERS)症例の集積は中東の国(特にサウジアラビア)から継続的に報告されているが、中東以外の国では2013年に英国(計3例)、フランス(計2例)から報告されているのみでいずれも輸入例を発端としていた1,2)。しかし2015年5月~7月にかけて、韓国では186例のMERS症例が報告された(中国で診断された例を含む)。本稿では韓国で発生したMERSの事例について概説する。

輸入例からの感染拡大3) 
韓国における最初のMERS確定例(#1)は68歳の男性で、2015年4月18日~5月3日にバーレーンアラブ首長国連邦UAE)、サウジアラビアカタールに滞在し、5月4日に仁川空港に到着した。5月11日(帰国7日目)に発熱・咳嗽を認め、12日、14日および15日に医療機関を受診後、15日~17日にA病院に入院した。しかし17日に別の医療機関を受診し、18日からB病院に入院した。20日にMERSと確定されたため、韓国政府は世界保健機関(WHO)へ報告するとともに、#1を国の指定医療機関へ隔離した。さらに21日、#1の妻(#2)と、#1と同じ病室の男性(#3)がMERSと確定された。#3の息子(#4)は#3を見舞っており、#1の接触者だったが、21日に発症し、26日に中国へ出国していた事実が27日に判明した。韓国政府は国際保健規則(IHR)に基づきWHOと中国保健当局に対して#4について通報した。同日、中国当局は本人を確認し隔離措置を取り、29日にMERSと確定したが、中国国内において#4からの二次感染例は認めなかった。一方、韓国では最初の症例(#1)に関して、発症から隔離までに10日間を要し、その間4カ所の医療機関を受診していたため、多数の医療従事者や患者らに接触することになった。そのため複数の医療機関で#1を発端とした二次感染および三次感染が発生し、6月8日の時点で6医療機関より64例の確定例が報告された。

韓国政府とWHOの対応
このような状況下、韓国政府はWHOとのJoint missionを6月9日~13日に実施した。その結果、6月13日、WHOは韓国におけるMERSコロナウイルス(MERS-CoV)感染拡大の原因について、医療従事者および一般社会におけるMERSに関する認識の欠如、不十分な院内感染予防策、混雑した救急外来や多病床の病室でのMERS患者との密接で持続的な接触ドクターショッピング、多くの見舞客や患者家族が病室内で感染者と滞在する習慣、などを指摘した。また、MERS-CoVの遺伝子配列について、韓国および中国での分離株と、中東での分離株とで著しい変異は認めないと述べ、疫学的に持続的なヒト-ヒト感染を示す証拠はないとした4)

WHOはこれらに基づき、6月16日、MERS-CoVに関するIHR緊急委員会第9回会議において、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」ではないと結論づけ、すべての国はこのような予期しないアウトブレイクに対して常に備えておくべきとし、医療機関と産業(航空産業など)との連携を強化する必要性を強調した5)