生物は、細胞を基本単位としている。そして、細胞は自身の持つ遺伝情報を基に、自らの活動に必要な生体高分子を作り出す。これらの生体高分子の働きにより、細胞が様々な機能を発現し、生物の生命活動は維持される。本講義では、生命活動の基となる個々の分子の働きを見るとともに、多数の分子が協調的に働くことによって生み出される様々な機能について、遺伝情報の発現、細胞分裂、情報伝達、分化等の細胞に特徴的に見られる現象を中心に紹介する。これらの理解を基に発展してきた、遺伝情報や細胞を利用する新たな技術についても解説する。
第15回 生命科学の現在と未来
21世紀は生命科学の時代であり、分子あるいは細胞レベルの生物学はその基礎として重要性を増すにいたっている.ここでは、ゲノムから明らかになった生命のしくみ、病気の治療法の開発など私たちのまわりの問題と、それにまつわる生命倫理について講義する。
【キーワード】
遺伝子と老化、歴史学とDNA、遺伝子と環境の相互作用