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つれづれなるままに日暮らし

海保導入のシーガーディアン 正体は……

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年10月から、海上保安庁初の無人航空機「シーガーディアン」の運用が始まっ

た。撮影した映像はリアルタイムで送れ、AI(人工知能)分析もできる。海洋監視強化にもつながるとされる航空機導入の裏側に迫った。

「初フライトは感慨深いものがあった」「シーガーディアン」の初飛行を現地で見守った海保のある幹部から私にメッセージが届いた。

 しかし昨年10月19日、青森県八戸市での初フライトは決して順調とは言えなかった。

 システムの再起動が必要になるなど予定時間に離陸ができなかったのだ。

 東京・海上保安庁の1室でモニター越しに現地の様子を見ていた海保幹部や記者からは「きょう飛べるの?」「中止?」などの声が上がっていた。

 これには、導入決定時から担当していた保安官は「飛ばないかも」と不安で一杯だったと話す。

 みんなの想いが届いたのか、シーガーディアンは予定より4~5時間遅れて飛び立ちその瞬間現地にいた保安官のなかには涙を浮かべていた人もいたという。

 ◆“最新鋭”無人航空機の正体とは…

 海保は海洋監視体制強化のため、およそ40億円の予算をかけ米ジェネラル・アトミクス社製の無人航空機を導入を決め、2020年10月15日から11月10日までの間13回147時間わたる飛行実証を行っていた。

 その結果、安全性や海上保安業務をより効率的・効果的に行うことができると確認されたことから青森県海上自衛隊・八戸基地に配備され10月19日から運用が始まった。

 海保の石井昌平長官はシーガーディアンについて「我が国周辺海域の海洋監視はもちろんのこと、海難対応や災害対応も含めた海上保安業務全般に効果的に活用できる」「これまで、災害時はヘリによる短時間の映像配信だったが、強みである24時間以上の飛行により長時間にわたって現場映像をリアルタイムで安定して撮影でき、外国漁船の分布を広範囲に把握できる」などと大きな期待を寄せている。

 海を防御することから「シーガーディアン」と名付けられた機体は全長11.7メートル、幅24メートルあり基地内にあるオペレーションセンターのコックピットからパイロットが人工衛星を通じて遠隔で操縦する。

 海保の保安官が管理・監督をするものの、パイロットは外部委託されることから機密情報が漏洩(ろうえい)する可能性を指摘する声もある事について海保の担当者は契約上問題ないと話す。

 そのうえで「将来的には、海保の保安官が操縦を担うことは否定しない」とした。

 シーガーディアンは日本の排他的経済水域EEZ)をカバーする能力を持ち八戸基地を離陸後、24時間で北海道から九州までの領海線をすべて哨戒でき、また、沖ノ鳥島まで往復することが可能だという。

 シーガーディアンには熱源や光に反応する赤外線カメラなどが搭載されていて、機体の下につけられた海洋監視カメラでは富士山山頂とほぼ同じ約3500メートルの高さから車1台をはっきり確認できる。

 撮影された映像は海上保安庁の本庁や運航指令室などにリアルタイムで伝送され、人工知能「AI」での分析も行われる。

 機体には、360度監視できる衝突防止レーダーも搭載されていることから、他の航空機と衝突を回避することもできるという。 

 ◆尖閣諸島周辺での監視強化につながるか?

 海保は今後3機での運用を目指し、2023年度も87億円の予算を要求している。海保は緊張状態が続いている尖閣諸島周辺などで有人航空機による監視を続けていて、その他のエリアへの無人航空機の導入で負担の軽減につなげたい考えだ。

 ある海保幹部は「海上自衛隊がうちと同じ機体の導入を決めて、データを共用することになっているので情報量も格段に上がる。問題は、そのデータ量に人間が追い付けるのか。吸い上げる情報をどれだけ処理できるか」と話す。