1.用意するもの
【必ず必要なもの】
(1)まち針(ステンレス製昆虫針の代用)
(2)ステンレス製の縫い針(ステンレス製昆虫針の代用)
(3)ピンセット(100円ショップで売られているなるべく先の尖ったもの)
(4)紙製の菓子折り箱または樹脂製タッパーウエア(桐製や高級木材製の標本箱の代用)
(5)発泡スチロールの板(電化製品や食品の梱包材)
(6)衣料用防虫剤(パラゾールまたはピレスロイド系)
(7)古新聞紙
(8)樹脂製の器(縦横15㎝前後であればどんなものでも良い)
【有れば便利で有効なもの】
(1)絵画用の筆もしくは柔らかめの歯ブラシ
(2)消毒用エタノール
(3)キッチンペーパーまたはティッシュペーパー
(4)割りばし
(5)竹串
(6)木工用ボンド
2.制作の手順
2-1.昆虫を洗う
(1)まず器に40℃前後のぬるま湯をはって、昆虫を入れて5〜10分ほど置いて、軟化させます。昆虫が死んで間もなく、まだ柔らかいうちであれば必要ありません。また、死んでから1週間以上経過して固化・乾燥が進んでいるような場合には、15分〜30分くらいぬるま湯に浸けます。
(2)次に、軟化した昆虫を軽く流水で洗います。口器の周辺や腹部側などの汚れが目立つ場合には、絵画用の筆または柔らか目の歯ブラシを使って、新しいぬるま湯に浸けながらていねいに汚れを落としてください。 消毒用エタノールが用意できれば、洗浄後に全体に噴霧すると付着している微生物を殺菌できます(必ず行う必要はない)。
2-2.形を整える
(1)テーブルに古新聞紙を敷き、その上にキッチンペーパーかティッシュペーパーを乗せてから昆虫を置いて、体の表面についている水分を完全に吸い取ります。この時、割りばしや竹串の先にペーパーを巻き付けてていねいに水分を吸収すると良いでしょう。ただし、昆虫の脚(特に爪)などを壊さないように注意しましょう。
(2)昆虫が六本脚で静止した場合の自然な位置(左右対称)を意識しながら、ピンセットを使って、頭部、胸部、腹部、そして、胸部から出ている六本の脚を広げながら整えます。
(3)もしもこの時に、脚などが取れてしまったら、慌てずに、木工用ボンドで修復してください。
2-3.展足(てんそく)※する
(1)昆虫の体を大体整えたら、発砲スチロールの板に昆虫を乗せてピンセットを使って、最終的な位置決めをします。
(2)腹部の右側前翅(はね)の上側、やや中央寄りの位置にステンレス製の縫い針をまっすぐ下に突き出るまで刺します。そして、発砲スチロールの板に体を固定します。
(3)まち針を使って、頭部の角度、触覚の位置、脚の位置を固定します。
※展足とは、昆虫標本を作る上で一番大事な作業。ピンで体と脚を固定すること。
(4)タンスの上など、静置できて、直射日光が当たらない場所に展足した標本を置いて十分乾燥させます。乾燥させる期間は、カブトムシやクワガタで3〜4週間くらいが目安です。まち針を使って、頭部の角度、触覚の位置、脚の位置を固定します。