辞書
遼代に幽州の僧の行均(ぎょうきん)によって編纂された字書、4巻。
統和15年(997年)に成立。見出し字は26,430余字を収録し、注の字数は163,100余字に及ぶ。
原名は『龍龕手鏡』(りゅうがんしゅきょう)であったが、
宋で刊行される際に、翼祖(太祖の祖父)の諱である「敬」と同音の「鏡」を避けて「鑑」に改められた。
■六書(漢字の成り立ち)早見表■
種類 |
説明 |
例 |
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作り方 から |
象形文字 | 物の形をそのままかたどった絵画的なもの。漢字をつくる基礎となっている。 | 日、人、子 |
指事文字 | 形にあらわせない抽象的な事柄を、記号で表したもの。 | 上、天、本 | |
会意文字 | 二つ以上の文字を組み合わせて別の新しい意味を表したもの。 | 比(人がふたり) 看(手と目) |
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形声文字 | 意味をあらわす文字と、音を表す文字を組み合わせたもの。漢字の8割以上を占める。 | 河(水+可) 江、固、枯、姑 |
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使い方 から |
転注文字 | 本来持っている意味を発展させ、他の意味に転用したもの。 | 楽<ガク>(音楽)→楽しい →楽<ラク>(娯楽) |
仮借文字 | 本来の意味とは無関係に音だけ借りたもの。あて字。 | 亜米利加<アメリカ> 卑弥呼、巴里、合羽 |
■後漢の時代(紀元後100年)、許慎は「説文解字」という字典を著し、その中で9353字の漢字について、
成り立ちから4種類の作り方、2種類の使い方に分類した。この分類法を「六書」という。
- ^ 『大漢和辞典』の読み
- ^ 小川環樹「宋・遼・金時代の字書」『中国語学研究』創文社、1977年(原著1962年7月)、247頁。
- ^ 大島正二『漢字と中国人』岩波新書、2003年、125-128頁。ISBN 4004308224。
- ^ a b c d 小川環樹「中国の字書」『中国の漢字』中央公論社〈日本語の世界 3〉、1981年、263-268頁。
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