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「世界を味方につける」中国統戦部プロパガンダ工作の手口=英FT紙 2017年11月03日 11時00分

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中国北京市府右街135号に聳え立つ巨大ビルには看板が見当たらない。全世界で中国共産党政権のソフトパワーを浸透させる大役を担う中央機関、党統一戦線工作部(以下、統戦部)の所在地である。英紙フィナンシャルタイムズはこのほど、海外での統戦部のプロパガンダ工作の実態を明かす調査報道を行った。

 その敷地は道路沿いに約200メートルと延々と続く。世界を制覇するという中国共産党の野望を象徴しているようだ。かつて最高指導部の幹部は統一戦線工作で世界を味方につける、と豪語した。

 統戦部が最高指導部の指示通り、特定の団体や個人を丸め込んたり、協力関係を築いたり、場合によっては攻撃も行っている、ということがフィナンシャルタイムズの調査で分かった。主の任務は中国共産党の政治運営への国際社会の支持を取り付けること、海外での影響力を強めること、重要な情報を収集することだ。

 統戦部はフィナンシャルタイムズ紙の取材要請を断った。一方、同紙は同部の幹部養成用教材を入手できた。教材は全世界で実行する任務を詳述しており、その隅々に騙しと恐喝の文言が並べられていると同紙はいう。

教材では統一戦線の手口について、「団結できそうな勢力を欠かさず取り入る」「相手に友好、寛容の態度で接する」。一方「海外の敵対勢力に対しては冷血無情に完全孤立させる」と明記されている。

 「統一戦線工作は威力絶大の必殺技」と讃えられている。統戦部NO.2の張裔炯副部長は10月の定例記者会見で「党の指導下で、我々はこの必殺技をよりよく使いこなすべき」と発言した。

 統戦部の権力範囲は広い。全9つの支局が共産党政権の脅威とみなされる領域を全て見張っている。例えば、第3支局は香港・マカオ・台湾、180カ国に分散する6000万人の在外中国人(華僑)を、第2支局は宗教団体を、第7、9支局はチベット新疆ウイグル自治区をそれぞれ管轄している。

 近年、党指導部が統一戦線工作を挙党体制で進めるようになった。2015年から、党・国家の各中央機関に配置する統戦部員数が急増、在外大使館には必ず統戦部関係者が駐在している。

 それより、海外の中国人への工作が大幅に強化されている。同6000万人の8割が外国籍に変わったが、中国共産党から見れば、所在国でのプロパガンダを担う大事な戦力である。

 教材は海外中国人の支持を得るための様々な術を教えている。華僑と祖国は「骨肉の関係」「中国人民の偉大なる復興に関わるべき」と愛国心を煽ったりする。一番よく使われる手立ては、「利用価値が高い」と見込まれている一部の華僑団体や個人に金銭利益を供与することだ。