巨大な天体同士が衝突する「ジャイアントインパクト」。太陽系の創世記に起こり、地球や火星、金星などの惑星をつくったと考えられている。この巨大衝突の“回数”や“衝突の角度”などの詳細がシミュレーションで明らかになってきた。さらに、昨年探査機が到着した冥王星にも、ジャイアントインパクトの痕跡があるというのだ。40億年以上前の一大天体イベントを紐解き、太陽系の惑星や準惑星が誕生したプロセスに迫る
なぜジャイアントインパクトを調べるのか(東京工業大学地球生命研究所 玄田英典特任准教授)
40億年以上前に起こった巨大天体同士の衝突・ジャイアントインパクト
40億年以上前、現在の水星から火星にかけてのエリアには、「原始惑星」と呼ばれる天体が10〜20個あり、これらが次々に衝突・合体して水星、金星、地球、火星になったと考えられている。
去年、探査機が到着した冥王星。茶色いクジラと呼ばれる模様もジャイアントインパクトの痕跡ではないか、と考える研究者もいる。
ジャイアントインパクトをシミュレーションする東京工業大学の玄田英典さん。
- 最後の衝突で月が出来た
太陽系儀(orrery)
岩石惑星
- 水金地火
- 原始惑星16個
- 5回の衝突で、地球
ガス惑星
氷惑星
- 天かい
HD116500
自転軸の傾き
177度
23.4度
98度
原始惑星