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つれづれなるままに日暮らし

池上彰 イスラム国家設立実践20年計画

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イスラム国(その前身の「イラクのアル=カーイダ」)のリーダーたちは、次のような行動計画を2005年に発表しているという。
(1)目覚め(2000年〜2003年)世界のムスリムを奮起させる衝撃的な行動。2001年9・11テロ。
(2)開眼(2003年〜2006年)若者たちのジハード(聖戦)への参加。
   (ここまでは、後付けで意味付与したもの)
(3)立ち上がり(2007年〜2010年)各地で治安の乱れが発生し、ジハードが活発化する。
(4)復活と権力奪取と変革(2010年〜2013年)アラブ諸国政権の崩壊を予期。奇しくもこの第4段階が、「アラブの春」による中東の政治的流動化を予測した形となった。
(5)国家の宣言(2013年〜2016年)2014年6月のモースル陥落、カリフ制国家の宣言で、あたかも予言が実現した形となった。
(6)全面対決(2016年〜2020年)「世界の信仰者」と「世界の不信仰者」が真向から衝突する最終戦争がはじまる。終末論的なヴィジョン。
(7)最終勝利(2020年)真のテロリズムによる最終勝利。
この、世界征服の妄想の、「第5段階」が現実のものとなったことで、イスラム過激派は活気づき、「グローバル・ジハード」は世界の脅威となっている。

現在の中東の混乱は「欧米の中東政策の誤り」などではなく、イスラム世界に内包されている思想・論理からきている。それが、アラブの春で生じた政治的空白をついて噴きだしている。問題の解決は、イスラム世界自体が内部から変革(宗教改革)するのでなければはじまらない、というのが池内の主張だ。
イスラーム世界にも、宗教テキストの人間主義的な立場からの批判的検討を許し、諸宗教間の平等や、宗教規範の相対化といった観念を取り入れた、宗教改革が求められる時期なのではないだろうか。」(P203 )

おそらく、池内の考え方が、欧米の政権中枢にいるエリートや、中東・イスラムに関する学者たちの標準なのだろう。池内は、自分の知見は「英語のインターネット空間に広がった膨大な公知の事実」を「適切に引照」したものだと誇っている。
わたしは、池内の本はあまりにも、欧米の中東政策に無批判過ぎて、イスラムフォビアイスラム恐怖症)を増幅しかねない要素をはらんだ本と感じました。その点で、重大な保留をしながら読むべき本と思います。
しかし、「イスラム国ってなんだ」という問いに、「はい、こういうヴィジョンを語っている集団です」ということを分かりやすく提示しており、ま、この本がいちばん売れるだろうな、とも思います。

イスラム国 テロリストが国家をつくる時/ロレッタナポリオーニ,池上彰

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「金曜プレミアム 〜池上彰緊急スペシャル!!〜」 2016年2月12日(金)放送内容 @ 価格.com

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