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つれづれなるままに日暮らし

反射炉

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歴史コメンテーター 金谷俊一郎

世界遺産明治日本の産業革命遺産」 構成される23施設 nhk

▽「萩反射炉」は、萩藩が西洋式の鉄製の大砲をつくるために建造した、金属を溶かすための炉です。現存する当時の反射炉は国内に2基しかなく、日本の産業史上、貴重な遺産となっています。
▽「恵美須ヶ鼻造船所跡」は、幕末に外国船の接近を警戒した幕府の要請を受けて、萩藩が伝統的な和船の技術を使って西洋式の軍艦2隻を建造したとされる造船所の跡地です。
▽「大板山たたら製鉄遺跡」は、砂鉄を原料に木炭を燃焼させて鉄を作っていた江戸時代の製鉄所跡です。
▽「萩城下町」は、萩藩の政治的・経済的拠点で、近世の封建社会が分かる町として今に受け継がれています。天守閣のあった萩城跡などがあります。
▽「松下村塾」は、日本の近代化や産業化を進めるうえで、重要な役割を担った数多くの人材を輩出した教育施設で、吉田松陰が指導したことで知られています。
鹿児島市には3つの資産があります。
▽「旧集成館」は、薩摩藩が建設した造船や紡績、それに製鉄などの工場群で、当時の機械工場は、現存するものとしては国内で最も古い洋風の工場で、このほか、大砲の砲身などを製造した反射炉の跡などがあります。
▽「寺山炭窯跡」は、幕末に木炭を製造していた薩摩藩の炭窯の跡です。
▽「関吉の疎水溝」は、「旧集成館」に引かれていた水路で、取り付けられていた水車の動力を利用して大砲の砲身などが製造されていました。
長崎市には8つの資産があります。
▽「小菅修船場跡」は、明治時代初期につくられた船を修理するための施設の跡で、外見がそろばんのように見えるため、「そろばんドック」の愛称で知られています。「三菱長崎造船所」は、4つの資産で構成されています。
▽「第三船渠」は、明治38年に完成した大型の船を修理するドックで、イギリス製の排水ポンプは今も使われています。
▽「ジャイアント・カンチレバークレーン」は、明治42年に設置された150トンのつり上げ能力があるクレーンで、今も現役で使われているいわゆる「稼働資産」です。
▽「旧木型場」は、明治31年に建設されたれんが造りの建物です。鋳型を製造するのに必要となる木型を製作していました。造船所内にある最も古い建物で、史料館として使われています。
▽「占勝閣」は、迎賓館として使われた洋館で、現在も、進水式などの祝賀会などの際に利用されています。
▽「高島炭坑」は、長崎市の西の沖合にある高島にあります。石炭の需要の高まりを受けて、幕末から明治にかけて開発された海洋炭坑で、日本の炭坑近代化の先駆けとなりました。
▽「端島炭坑」は、その姿形から「軍艦島」の通称で知られています。高島炭坑の技術を引き継ぎ、発展させ、炭坑の島として開発されました。閉山後、無人島となりましたが、現在は、一部に限って上陸できるようになり、長崎市の新たな観光名所となっています。
▽「旧グラバー住宅」は、石炭や造船などの当時の日本の主要産業の近代化に貢献したスコットランド出身の貿易商、トーマス・グラバーの活動拠点となりました。長崎市を代表する観光名所の1つとなっています。
福岡県の八幡エリアの2つの資産はいずれも製鉄に関連する施設です。
まず、北九州市の「官営八幡製鐵所」です。「旧本事務所」、「修繕工場」、「旧鍛冶工場」が対象です。
▽「旧本事務所」は明治32年に建設され、八幡製鐵所トップの長官や外国人技師が執務した場所で大正時代以降は研究所として使われました。屋根瓦に赤れんがという和洋折衷の建築様式が特徴です。
▽「修繕工場」は、明治33年に建てられた現存する国内で最も古い鉄骨構造の建物です。今も使われており、内部では100年余り前と同じクレーンが稼働しています。
▽「旧鍛冶工場」は、明治33年に建設され金物や大型の工具が製造されていました。現在は資料室として使われています。もう1つが、中間市の「遠賀川水源地ポンプ室」です。製鉄に必要な水をひくため明治43年に作られました。11キロ余り離れた製鉄所まで今も水を送っています。
福岡県から熊本県にかけての三池エリアは2つの資産からなります。
1つは、福岡県大牟田市熊本県荒尾市にまたがる「三池炭鉱、三池港」です。「宮原坑」、「万田坑」、「専用鉄道敷跡」、「三池港」が対象です。
大牟田市の「宮原坑」は、明治31年に石炭の採掘が始まり、高さ22メートルのやぐらは、鋼鉄製のものとしては、現存するものの中では国内で最も古いとされています。
荒尾市の「万田坑」は、明治時代に作られた炭鉱としては国内で最大の規模です。
大牟田市荒尾市にかけての「専用鉄道敷跡」は、石炭を運んだ5キロ余りの専用鉄道の跡で、レールは撤去されていますが、コンクリートの枕木が残っています。
大牟田市の「三池港」は、石炭を積み出す港として、100年以上前につくられ、炭鉱がなくなった今も現役の港として使われています。港の水位を保つために作られた「閘門」と呼ばれる水門があります。
もう1つが、▽熊本県宇城市の「三角西港」です。
明治20年にオランダ人技師が設計して建設され、一時期、三池炭鉱で採掘された石炭を国外へ輸出する港として利用されました。今も石畳のふ頭や水路が残っています。
佐賀市の「三重津海軍所跡」は、幕末に佐賀藩がつくった海軍の施設の跡で、日本で初めての実用的な蒸気船が建造されました。
静岡県伊豆の国市にある「韮山反射炉」は、江戸時代末期に、外国から国内を守るための大砲を作った、現存する中では日本最古の製鉄施設です。
岩手県釜石市の「橋野鉄鉱山・高炉跡」は、江戸時代末期に作られた現存する国内最古の西洋式の高炉の跡などからなる史跡です。