出所:勝間和代オフィシャルメールマガジン (今日のメルマガが評判いいので転載します) 〔*〕
調理の話から、なぜ私たちは、単にオーブンで待っているだけ、といった料理よりも、フライパンにつききりで、かき回し続けるような料理を作るときも好むし、食べるときもその方が美味しいと思うのか、ということを考えました。
実はこれは、「選択理論心理学」というグラッサー博士が提唱した心理学でうまく説明ができています。
選択理論心理学では、理想の姿と現状を比べて、そこに違いがある、バランスが崩れているときに、私たちはどうしても、
「何か行動を起こすことで、例えそれが、意味の無い行動でも、欲求を満たそうとする」
という傾向があると言うことです。
例えば、カレーを作ろうと思ったときにも、いま目の前にあるまだ煮えていない野菜と冷たい水があって、本当は、それが沸騰するまで、じっと我慢をして、蓋を開けない方が結果的には早く仕上がるのですが、つい、気になってしまって蓋を開けたり、あるいは、必要も無いのにかき回してしまうような行動です。
以前、私は北見に米国製のコーヒーメーカーを持っていったら、110V仕様なので、100Vで動かなくて、困ったことがあります。そこにはギャップがあるから、行動を起こそうとするわけです。そして、近所のベスト電器に買い物に行きました。
私が必要なのは、変圧器の中で、日本のものを外国にする「アップトランス」といわれるタイプなのですが、北見のベスト電器で売っていたのは、すべて「ダウントランス」とわれる、海外旅行用の、日本の電化製品を外国で使うためのものばかりでした。
その時に自分でおもしろいなぁ、と思ったのは、ダウントランスが役に立たないとわかっているのに、
「万が一動くかもしれない」
と思って、ダウントランスを買っていくわけです。で、もちろん、ダウントランスでは動かないで戻ってがっかりするのですが、それでも、動かないコーヒーメーカーを目の前にしているよりは、無駄だと思っていても、行動する方が、安心する、というわけです。
だからこそ、料理も、なるべく無駄かもしれませんが、手足を動かすタイプの方がレシピも受けるし、企業の中でも、明らかに顧客価値にならないような仕事も、本人が作ってしまって、増殖していくわけです。
これを防ぐためには、やはり、理想の姿と現実の姿のギャップを埋めるために、どのような行動が本当に効果があって、どのような行動が意味が無いのか、学習していくしか無いわけですね。
怒り、もこのようなギャップの充足行動の1つだと思います。望む姿と現実が違うから、
怒る
ことで、気持ちを埋めようとするわけです。しかし、この怒り、怒れば怒るほど、望む姿と現実が離れていくことは、みなさんもご存じの通りです。
上手に自分の欲求とつき合っていきたいですね。選択理論心理学をより学びたいという型には、私の選択理論心理学の先生でもある、下記の渡邊奈都子さんの入門書が大お勧めです。
「人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論」
http://krs.bz/katsumaweb/c?c=39055&m=141221&v=29f2cf62