米司法省は8日、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」が今年9月、工作員にトランプ次期大統領の動静監視や暗殺を指示していたと発表した。暗殺は実行されなかったが、メリック・ガーランド司法長官は「米国の安全保障を危険にさらそうとするイランの試みを容認しない」と表明した。
アメリカ大統領選の開票結果を受けて登壇したトランプ氏(6日、米フロリダ州で)=ロイター
司法省は同日、イラン系米国人の殺害を企てたとして、革命防衛隊工作員のファハド・シャケリ容疑者(51)ら3人を訴追したと発表した。発表によると、シャケリ容疑者は米捜査当局が電話で行った聴取に対し、革命防衛隊から9月にトランプ氏の監視と暗殺を指示されたと供述した。10月に計画策定を指示されたが、提出しなかったという。
イラン革命防衛隊 イラン指導部の親衛隊の性格を持つ軍事組織。 陸海空軍とは別に、イラン革命が起きた1979年に設立された。 国境警備や対テロ作戦も担う。 ペルシャ湾で緊張が高まった2019年夏には、米国の無人機を撃墜したり、英国のタンカーを拿捕(だほ)したりした。