米航空宇宙局(NASA)は23日、小惑星の地球衝突を回避するために設計された世界初の惑星防衛システムを実証するため、探査機をカリフォルニア州から打ち上げた。
探査機「DART」はスペースXのファルコン9ロケットに搭載され、ロサンゼルス北方のバンデンバーグ宇宙軍基地から発射された。
DARTは10カ月かけて地球から約1100万キロの距離にある小惑星「ディディモス」を目指し、周回する衛星に高速で衝突して軌道を変更できるか実験を行う。
衝突体とDARTから放出されるミニ宇宙船に搭載するカメラで衝突の様子を撮影し、画像を地球に送信する。
今回の実験対象となる小惑星は実際に地球衝突の脅威はなく、6600万年前に恐竜を絶滅させたと考えられている小惑星に比べるとかなり小さいが、サッカー場ほどの大きさだという。
地球に衝突する小惑星から人類を守る――。まるでSF映画のような「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」のための米国の探査機DART(ダート)が24日、米カリフォルニア州から打ち上げられた。小惑星に衝突させて軌道をわずかにそらし、将来、地球にぶつかるのを防ごうという試みだ。