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新型コロナ 第1波 昨年4月11日に720人 (全国の1日あたり)
●「第1波」と初めての「緊急事態宣言」
国内では昨年1月16日に初の感染者の確認が発表され、2月13日には初の死者が出ました。とりわけ3月下旬から感染者が急増し、3月27日には全国の新規陽性者が初めて100人を超えました。「第1波」です。 当時の安倍晋三首相は4月7日の会見で「医療現場はまさに危機的な状況。もはや時間の猶予はないという決断に至った」と述べ、東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県と大阪、兵庫の2府県、そして福岡の計7都府県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく「緊急事態宣言」を発出。対象地域はその後、全国に拡大されました。 この1回目の宣言では、人と人との接触機会を「最低7割、極力8割」削減する目標が掲げられました。幅広い業種に休業要請が出され、生活必需品を取り扱う店を除いて、飲食店やスポーツジム、ライブハウスなどが対象になりました。イベントについても、特に全国的かつ大規模なものは中止や延期などの対応が主催者に求められました。 こうした対策の結果、緊急事態宣言は順次解除され、5月25日、残る東京など首都圏1都3県と北海道の解除をもって、すべての都道府県の緊急事態宣言が終了しました。5月下旬の新規陽性者は全国で50人を下回る水準になっていました。
新型コロナ 第2波 昨年8月7日に1,605人
●「第2波」と飲食店への時短要請
しかし、新規陽性者は6月下旬に再び100人を超え、7月から8月にかけて第1波を上回る感染のヤマができました。「第2波」です。 接待を伴う飲食店など繁華街での感染例が多く報告され、そこから全国に感染が広がっていったことが政府の新型コロナ対策分科会でも指摘されました。当初は若い世代の感染者が多いのが特徴でしたが、東京など都市部で感染が拡大するにつれて、中高年層へも感染が広がっていきました。感染経路も会食や飲み会が目立つようになりました。 7月22日には、政府が観光支援事業「Go Toトラベル」をスタートさせました。東京では1日の感染者数が200人から300人という高い水準で出ていたこともあり、東京都発着の旅行は当初、対象から除外されていました(10月から追加)。 第2波では緊急事態宣言は発出せず、感染が広がった自治体が酒類を提供する飲食店やカラオケ店への営業時間の短縮要請を行いました。例えば東京都では8月3日から9月15日まで(9月1日からは23区のみ)、午後10時までの時短営業を要請しました。そのほか、夏休みやお盆などに向けて、知事らが「帰省は控えて」と呼びかけました。 感染者数は8月上旬から中旬をピークに減少傾向に入りました。しかし、第1波の終盤のような水準までは下がり切らず、9月に入っても全国の報告者数が500人前後で推移するなど「下げ止まり」状態が続きました。
新型コロナ 第3波 1月8日に7,955人 (東京都 2,520人)
●「第3波」と2回目の「緊急事態宣言」
感染者は11月上旬から再び全国で増加し始めました。この「第3波」では、より幅広い地域・年代層に感染が広がりました。東京都では、会食や接待を伴う飲食店などが主な感染経路だった第2波とは異なり、家庭内感染の割合が大幅に増えました。年齢層も中高年、特に重症化リスクの高い高齢者の感染が数・比率ともに増加。それにより、重症者が第1波、第2波よりはるかに多くなりました。 11月18日には新規陽性者が全国で初めて2000人を超え、第2波を上回り過去最多に。12月31日には全国で4533人、東京都でも1353人といずれも最多を更新しました。そんな中、GoToトラベルも12月28日に全国で停止することになりました。 第3波では、クリスマスや忘年会、新年会といった年末年始の恒例行事や帰省が感染の急拡大につながったと専門家は指摘しています。年末には各知事や専門家から「帰省は慎重に」呼びかけもなされていました。 実際に年明け早々、新規陽性者数は一気に増えました。東京都では1月7日に2520人を記録。翌8日、9日も2000人を超える感染者が報告されました。全国でも1月8日に7955人と過去最多となりました。 政府は1月8日から2度目となる緊急事態宣言を発出。当初は首都圏の1都3県が対象でしたが、最も多い時には大阪、愛知、福岡など計11都府県まで広がりました。 1回目の緊急事態宣言と異なるのは、感染リスクが高いとされる飲食の機会を感染拡大の“急所”と捉え、飲食店などへの時短要請に絞った対策を取った点です。飲食店には午後8時までの時短営業(酒類提供は午後7時まで)を求めました。 感染者数は徐々に減少し、2月下旬から3月上旬には全国で1日1000人前後で推移するようになりましたが、第2波と同様に下げ止まり、この水準から減ることはありませんでした。 緊急事態宣言は大阪、兵庫、愛知など計6府県が当初期限より前倒しで2月末に解除され、残った東京など首都圏の1都3県も3月21日をもって解除されました。
新型コロナ 第4波 (3月下旬~) 5月8日に7,234人
●「第4波」と「まん延防止等重点措置」初適用
しかし、大阪府や兵庫県では3月下旬から感染者が急激に増え始めました。「第4波」です。4月3日には大阪府で新規の報告者数が666人に上り、過去最多となりました。 政府はここで新しいコロナ対策を打ち出します。「まん延防止等重点措置」です。2月に改正された特措法に、緊急事態宣言の罰則規定とともに設けられた措置で、宣言に至らないよう集中的な対策を予防的に取ることができます。4月5日から大阪、兵庫、宮城の3府県に初めて適用。12日からは東京、京都、沖縄の3都府県が、20日からは千葉、埼玉、神奈川の首都圏3県と愛知県が追加されました。 それでも感染拡大に歯止めはかかりませんでした。大阪では4月13日に1099人の新規陽性者が出て初めて1000人を超えると、その後も1000人を超す日が続きました。 この頃の大阪府は、予定していた手術に優先順位をつけるなど「一般診療に影響が出るレベル」の医療危機に陥っていました。コロナ対策分科会の尾身茂会長は4月15日の会見で、東京も大阪のような状況に「早晩なる可能性はある」と危機感を示しました。
●3回目の「緊急事態宣言」と「アルファ株」
第4波が関西で急激に広がった大きな要因は「変異ウイルス」です。この頃の感染の主体は、英国で見つかった変異ウイルス(アルファ株)で、従来型ウイルスよりも感染力が強いとされました。関西では、従来株からこのアルファ株への置き換わりが急速に進行したのです。 第4波では、大阪の感染者数が東京を上回っていたことも特徴です。大阪府では4月28日と5月1日に1260人を記録し、過去最多を更新しました。 政府は4月25日から、3回目となる緊急事態宣言を東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発出しました。 ゴールデンウイークを見据えたこの宣言は、飲食店での酒類提供を禁じるなど前回よりも強い措置が盛り込まれました。飲食店には午後8時までの時短営業を求めたほか、酒類やカラオケを提供する飲食店には休業を要請しました。さらに大型商業施設にも休業を要請し、大規模イベントは原則無観客で行うことを主催者に求めました。 当初は連休明けの5月11日までの17日間という短期間で設定された緊急事態宣言でしたが、5月8日と12日に7000人超の感染者が確認されるなど、感染状況は引き続き高い水準にありました。 そのため、5月31日まで期間が延長されるとともに、対象地域も愛知と福岡の2県が追加されました。このタイミングで感染防止対策が一部緩和され、大規模イベントは無観客から人数制限(上限5000人かつ収容率50%以下)での開催要請に、大型商業施設も休業要請から午後8時までの時短営業の要請に切り替えられました。ただ、知事判断で引き続き休業要請の継続も可能としました。 3回目の緊急事態宣言は結局、計10都道府県まで拡大して期間も延長され、6月20日に沖縄県を除いて解除されました。
新型コロナ 第5波 (7月に入ると) 7月31日に12,342人、8月20日には全国で25,871人
東京都でも8月13日に5,773人
●「第5波」と4回目の「緊急事態宣言」
宣言が解除された東京都では、6月21日から宣言に準じた重点措置に切り替えられました。飲食店に午後8時までの時短営業を要請し、酒類提供については一定の要件を満たした店のみ午後7時まで認められることになりました。 しかし東京の新規陽性者は500人前後の高止まり状態で、7月に入るとじわじわと増加に転じ、再び1000人に迫るようになりました。 政府は7月12日から東京都に4回目となる緊急事態宣言を出しました。コロナの影響で今夏に延期されていた東京五輪の開幕まで2週間を切っていました。宣言期間は沖縄県も含めて8月22日までで、五輪期間がまるまる緊急事態宣言下という「異例の開催」(菅義偉首相)となりました。 打ち出された対策は、3回目の宣言の後半の内容を踏襲したものでした。酒類やカラオケを提供する飲食店には再び休業要請がなされたほか、それ以外の飲食店や大型商業施設には午後8時までの時短営業が求められました。大規模イベントは引き続き、上限5000人かつ収容率50%以下での開催要請が維持されました。 しかし、東京の感染は収まるどころか急激に悪化していきました。7月28日には3177人と初の3000人台、さらに8月5日には5042人と初の5000人超えとなり、8月13日には5773人と過去最多を更新しました。全国でも8月13日に初めて2万人を超えると、8月20日には2万5871人と過去最多を更新。爆発的な感染となり、各地で過去最多が更新されています。これが現在も続く「第5波」です。
●「デルタ株」の猛威とワクチン接種
「第5波」がこれほど急激に拡大したのは、アルファ株以上に感染力が強いとされるインド由来の「デルタ株の猛威」の影響が指摘されます。専門家によると、デルタ株は従来より2倍、アルファ株より1.5倍程度、感染力が強いといいます。 東京都のモニタリング会議(8月20日)は「制御不能な状況が続いている。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」と危機感をあらわにしました。 「第5波」のもう一つの特徴は、感染者の年齢構成です。4月以降、65歳以上の高齢者にワクチン接種が進んだ結果、新規陽性者に占める高齢者の比率は減少しています。その一方で、50代以下の中高年、若年層で感染が拡大しています。 都のモニタリング会議によると、6月中旬以降、50代以下が新規陽性者のうち9割以上を占めているといいます。「新規陽性者の年齢構成は、若年・中年層中心へと変化した。若年層を含めたあらゆる世代が感染によるリスクを有している」と分析。実際に10代以下の感染も報告されるようになってきています。 感染が広がるにつれて、重症者も増えていきました。東京の重症者は8月28日に297人と過去最多を記録。年代別では50代が最も多く、40代以上で重症患者全体の約9割を占めています。10代を含む30代以下でも新たな重症例が発生しています。全国でみても重症者は2223人(9月3日時点)と過去最多を更新し続けています。