背景に中国のミサイル開発強化
2022会計年度の国防総省予算では、「太平洋抑止イニシアチブ(PDI)」に51億ドル(約5600億円)が計上された。PDIは中国への対抗を目的として、太平洋地域での米軍強化のために設置された新たな基金だ。米インド太平洋軍はさらに8億9千万ドルを要求する考えも議会に示している。
インド太平洋軍が3月、PDIに基づき、米議会に提出した予算要望書のリストの中で最も注目されるのが、第1列島線に沿って配備される射程500キロ以上の地上発射型ミサイル網の構築だ。5年間の総額として29億ドルを計上。米国が中距離核戦力(INF)全廃条約から脱退したことでこの射程の配備が可能になった。