岡山県[編集]
岡山県では河川の氾濫や堤防の決壊による浸水、土砂災害が相次いだ。全半壊・浸水家屋の数は19日時点で少なくとも14,000棟にのぼり、県内の風水害による被害としては戦後最悪となった[48]。
倉敷市真備町では7日朝までに小田川と支流の高馬川などの堤防が決壊し、広範囲が冠水[49]。真備町だけで51人が死亡し、ほとんどが水死とみられる[50][51]。死者のうち43人は屋内で発見され、うち42人は住宅の1階で発見された[52]。土木学会の調査によると、浸水の深さは南北1km・東西3.5kmの範囲で5メートルを超え、最大で5.4メートルに達したとみられる[53]。浸水範囲は真備町の4分の1にあたる1,200ヘクタールに及んだ[49]。国の調査委員会の見解によると、小田川では合流先の高梁川の増水に伴い水がせき止められるバックウォーター現象が発生し、越水により堤防の内側が削られ決壊したとみられる[54]。真備町における堤防の決壊箇所は小田川で2箇所、支流の高馬川で2箇所、末政川で3箇所、真谷川で1箇所が確認され、小田川では他にも6箇所で法面の崩落が確認されている[55]。
以下は、倉敷市真備町での洪水における行政対応の経過である[49][56]。
- 6日22時00分 - 真備町全域に避難勧告
- 6日22時40分 - 倉敷市に大雨特別警報
- 6日23時45分 - 小田川南側に避難指示(緊急)
- 7日0時47分 - 国土交通省が小田川右岸で堤防から水があふれているという緊急速報メールを配信
- 7日1時30分 - 小田川北側に避難指示(緊急)
- 7日1時34分 - 国土交通省が高馬川で堤防の決壊を確認と公表したが、この日時が未確認情報であることが後日判明[57]
- 7日6時52分 - 国土交通省が小田川で堤防の決壊を確認
倉敷市では真備町以外の地域でも1人が死亡するなど浸水や土砂災害が相次ぎ、このうち同市広江では団地の裏山が崩れて約20棟が全半壊した[58][59]。